『なみある?』における生成AI導入事例

Amazon Bedrockと海洋情報APIで海況自動文書化を実現。文書化コスト80%削減と無人化に成功。

『なみある?』が抱えていた非効率性とコストの課題

『なみある?』は、サーフィンを楽しむ方々にリアルタイムの海況情報を提供するWebサービスです。当社は2023年に『なみある?』を事業譲受しましたが、その時点で当サービスにはいくつかの課題がありました。

これまで『なみある?』では、各サーフポイントの現地レポートを基に海況観測データを手作業で文書化していました。しかし、この方法はレポート作成担当者の主観に頼る部分があり、情報の品質にばらつきが生じてしまうことが課題となっていました。また手作業による文書化には多くの時間とコストがかかるほか、頻繁な更新が難しく、ユーザーに提供する情報のタイムリーさにも限界がありました。

生成AIによるソリューション

『なみある?』の抱える課題を解決するために、当社は生成AIを導入。以下の3つのソリューションを中心に展開しました。

自動文書化

AWSの豊富なサーバレスサービスとの
連携が容易なAmazon Bedrockを使用
し、生成AIが自動で波情報を文書化できる環境を構築しました。

コスト最適化

基盤モデルの変更が容易なAmazonBedrockを使い、人気ポイントには高性能なClaude3 Sonnet、小規模ポイントには安価でコストパフォーマンスの良いClaude3 Haikuを使用。ユーザーの利用状況に応じたコスト配分を実施しました。

情報の品質を統一

海洋情報APIと生成AIを連携させ、任意のタイミングで常にフォーマット化された一定品質のレポート出力を行えるようにしました。

導入後の効果

生成AI導入により、『なみある?』では以下のように大きな効果を得ることができました。

まず、これまで人の手で行っていた海況の確認やレポート作成作業の無人化に成功。以前は最大で1日3回の更新が限界でしたが、自動化によって任意のタイミングと頻度で生成可能になり、リアルタイムな波情報をユーザに届けることが可能になりました。加えて、AI判断による一定かつ高品質な波情報を提供できるようになりました。

コスト面では、自動化による人的リソースの大幅な節約ができたことで、文書化にかかっていたコストの約80%を削減することに成功しました。リアルタイムでの情報更新が可能になったことで、ユーザー満足度も向上しています。

この成功事例が高く評価され、当社はAWS Summit Japan 2024にて生成AI活用企業50選に選出されました。
さらに、当社CTOの福原がセッションに登壇し、この取り組みを紹介しました。

当社は、今後も生成AIを活用した新しいソリューションを展開し、より低コストで利用しやすいサービスの提供と企業や団体のDX化支援を行ってまいります。